季節の養生

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季節の養生

寒露

寒露かんろ

10月8日~10月22日

露が冷たく感じる時期を指します。
空気が澄み、秋の夜長に虫の声が大きく響きわたるのを聞くとそろそろ秋の終わりを感じます。

寒露の養生

頑張り過ぎない 寒露の養生
秋の深まりとともに晴天がつづき、農作物は喜びの収穫期を迎えます。
収穫期といえば自然界だけでなく、私たちの周囲では仕事の面でも年初めや春からスタートした仕事も半年を迎え、ひとつの評価の時を迎えます。
春から努力を重ね培ってきたものが実を結び、人から注目され、高揚感を得られやすい時期になります。
その結果、高揚感と食欲の秋が重なり、つい食べすぎてしまい体重が増えたり、運動の秋ということで、歩くなど運動をする機会が増え、活動的になることで関節を痛めたりしてしまいます。

また、疲れすぎることで免疫機能が低下し、風邪を引いたり、膀胱炎をおこしたり、女性はホルモンのバランスがくずれ生理痛が悪化したりします。
高揚感を得ることは次への原動力となりますが、ともすると、つい頑張りすぎてしまい、あとで体調をくずすことにもなります。
何事も無理せずに「いいかげん」ではなく、「良い加減」を保つことも大切です
幸福感は食事から
幸福感は「脳内モルヒネ」と呼ばれる物質が作り出すと考えられています。
「脳内モルヒネ」は、沢山の種類のアミノ酸が必要です。
アミノ酸には自分で作り出すことのできるアミノ酸と、自分では作ることのできない必須アミノ酸があります。
必須アミノ酸は食べものから摂る以外に方法がありません。そのため、バランスの良い食事を意識して摂らないと、必須アミノ酸が足りなくなってしまいます。
その結果「脳内モルヒネ」が作り出せなくなり、幸福感が得られにくいと言われています。
幸福感を感じにくい人は、食事の内容を今一度、見直すことも大切です。
この時期は肩の力を抜き、リラックスした気持ちで、旬の食材を楽しむようにしましょう。

寒露のツボ

陰陵泉
いんりょうせん
ツボの位置
ひざのお皿から下がったところにある出っぱりを探し、ふくらはぎの内側へ指をずらし骨のキワにあるのが陰陵泉(いんりょうせん:SP9)です。

季節のサイン

季節の移り変わりを知らせるさまざまな変化。自然界からのサイン。

ザクロ
鴈(がん)
キリギリス

季節の養生とは

私たちは、一年一年、めぐりくる季節の変化に身体をかさね合わせ、年輪のように歳を重ねていきます。季節に応じた生活、季節にあわせた暮らしを心がけることこそ、健康づくり、人生を豊かにする第一歩なのです。
年々、気候の変動が激しさを増しています。だからこそ、今の季節をゆったり味わう感性を持ちたいものです。古くから受け継がれてきた知恵を、今をしなやかに生きるための養生として、ぜひ生活にいかしてお楽しみください。
監修

伊藤 和憲いとう かずのり 先生

鍼灸学博士
明治国際医療大学 鍼灸学部
鍼灸学科 教授

専門は「痛み」。NHKの健康番組などに出演。著書『今日からはじめる養生学』はじめ、痛みに関する専門書多数執筆。

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