季節の養生

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季節の養生

処暑しょしょ

8月23日~9月6日

呼吸と生活リズムを整え、潤いを守る

処暑の養生

暑さがほどけ、内へと収まる季節
「処暑(しょしょ)」は、文字通り夏の暑さがようやく“処(とどま)”り、朝夕の風に秋の気配が漂いはじめる頃を指します。
自然界のエネルギーは、外へと活発に広がる「陽」から、内へと静かに収まる「陰」へと移り変わります。

東洋医学では、こうした季節の変わり目は「陰陽」のバランスが大きく切り替わるため、気の巡りを司る自律神経に乱れが生じやすい時期だと考えられています。

特に秋は、五臓の中でも「肺(はい)」が最も影響を受ける季節です。
肺は呼吸を通じて全身に気を巡らせるだけでなく、皮膚や粘膜を守るバリア機能である「衛気(えき)」とも密接に関わっているため、肺の働きが弱まると、喘息などの呼吸器疾患やアレルギー症状が現れやすくなります。
深い呼吸が巡りと安らぎをもたらす
この時期に心身を健やかに保つためには、肺の機能を整える「呼吸養生」が大切です。肺を労わることで全身の気の流れが整い、自律神経も安定しやすくなります。

具体的な方法としては、まずはお辞儀をするように上体を深く前に倒しながら、体内の空気を全て吐き切ること。次に、ゆっくりと身体を起こしながら、新鮮な空気を胸の奥まで吸い込みましょう。
こうした深い呼吸は肺を新鮮な「清気」で満たし、副交感神経を優位にして緊張した心身をリラックスさせてくれます。

できれば山や海など自然界の清浄な気が満ちた場所に出向き、澄んだ空気を取り入れることで、私たちが本来備えている自然治癒力を呼び覚ますことができます。

また、呼吸とともに整えたいのが、生活習慣を自然のリズムに合わせる「調身」です。秋の養生の基本は、日が沈むとともに身体を休め、日が昇るとともに目覚める「早寝早起き」です。
夜の「陰」の時間に十分な睡眠をとることは、夏に消耗した「陰液」を補い、肺を内側から潤すことにつながります。

処暑の時期に呼吸と生活のリズムを整えることは、自律神経を安定させ、これから本格的に乾燥する季節に向けて“病に負けない土台”をつくることにつながります。
自然の移ろいに寄り添いながら、静かに身体の内側を整える時間を大切にして過ごしていきましょう。

処暑のツボ

太淵
たいえん
ツボの位置
手のひらを上にして手首の曲がりじわ親指側で動脈の拍動を感じるところが太淵(たいえん)です。

季節のサイン

季節の移り変わりを知らせるさまざまな変化。自然界からのサイン。

イワシ
ブドウ
綿の実

季節の養生とは

私たちは、一年一年、めぐりくる季節の変化に身体をかさね合わせ、年輪のように歳を重ねていきます。季節に応じた生活、季節にあわせた暮らしを心がけることこそ、健康づくり、人生を豊かにする第一歩なのです。
年々、気候の変動が激しさを増しています。だからこそ、今の季節をゆったり味わう感性を持ちたいものです。古くから受け継がれてきた知恵を、今をしなやかに生きるための養生として、ぜひ生活にいかしてお楽しみください。
監修

伊藤 和憲いとう かずのり 先生

鍼灸学博士
明治国際医療大学 鍼灸学部
鍼灸学科 教授

専門は「痛み」。NHKの健康番組などに出演。著書『今日からはじめる養生学』はじめ、痛みに関する専門書多数執筆。

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