大暑たいしょ
7月23日~8月6日
夏の疲れをやわらげる大暑の養生
大暑の養生
- 一年で最も暑さが増す大暑の季節
- 「大暑」は字の如く、一年で最も暑さが厳しくなる頃です。大地は燃えるような熱を帯び、真夏日や熱帯夜が続き、自然界の「熱(ねつ)」と「暑(しょ)」が猛威を振るいます。
こうした季節、日本では浴衣や風鈴などの風物詩を楽しみ、五感を通して涼を感じる「清熱(せいねつ)」の知恵が古くから受け継がれてきました。
東洋医学では、この厳しい暑さは体内の水分である「津液(しんえき)」を消耗させ、生命エネルギーである「気(き)」も奪いやすいと考えられています。そのため、心身ともに最も疲れやすくなる過酷な季節といえます。
- 胃腸の弱りが招く、夏の不調と心への影響
- この時期に特に注意したいのが、消化器系の働きを担う「脾・胃(ひ・い)」の低下です。
暑さで疲労が蓄積すると、気や血を生み出す源である脾・胃が弱り、栄養の吸収が滞ることで疲労がさらに増していくという悪循環に陥ります。
さらに、日本の夏は湿気も多いため、胃腸に「湿(しつ)」が溜まりやすく、夏バテによる食欲不振や食中毒、下痢や便秘といった不調も起こりやすくなります。
東洋医学では、脾・胃は単に栄養を運ぶだけでなく、心の安定に関わる物質の生成にも深く関わっていると考えられています。
そのため、お腹の調子が乱れると、活力の低下を招くだけでなく、気分の落ち込みや感情の乱れといった心の不調にもつながりやすくなります。
- 胃腸を労わる大暑の食養生
- 身体と心を健やかに保つためには、この時期こそ東洋医学で“後天の本”とも呼ばれる胃腸のコンディションを整えることが大切です。
冷たいものの摂りすぎで内臓を冷やさないようにし、消化の良い温かい食事を心がけて、腸内環境のバランスを保ちましょう。
特に、味噌や醤油、麹、納豆といった発酵食品は、日本古来の知恵に基づく優れた養生食であり、脾胃の働きを助け、体内の巡りを改善してくれます。
こうした食事・食品を取り入れることで内側からエネルギーを補い、一年で最も暑い大暑の季節を、心身ともに豊かな巡りで乗り切っていきましょう。

大暑のツボ
足三里
あしさんり
あしさんり
- ツボの位置
- ひざのお皿のすぐ下、外側のくぼみに人さし指をおき、指幅4本そろえて小指があたっているところが足三里(あしさんり:ST36)です。
季節のサイン
季節の移り変わりを知らせるさまざまな変化。自然界からのサイン。
風の熱さ
ゴーヤ
カブトムシ
オシロイバナ
季節の養生とは
私たちは、一年一年、めぐりくる季節の変化に身体をかさね合わせ、年輪のように歳を重ねていきます。季節に応じた生活、季節にあわせた暮らしを心がけることこそ、健康づくり、人生を豊かにする第一歩なのです。
年々、気候の変動が激しさを増しています。だからこそ、今の季節をゆったり味わう感性を持ちたいものです。古くから受け継がれてきた知恵を、今をしなやかに生きるための養生として、ぜひ生活にいかしてお楽しみください。
年々、気候の変動が激しさを増しています。だからこそ、今の季節をゆったり味わう感性を持ちたいものです。古くから受け継がれてきた知恵を、今をしなやかに生きるための養生として、ぜひ生活にいかしてお楽しみください。

監修
伊藤 和憲 先生
鍼灸学博士
明治国際医療大学 鍼灸学部
鍼灸学科 教授
専門は「痛み」。NHKの健康番組などに出演。著書『今日からはじめる養生学』はじめ、痛みに関する専門書多数執筆。
明治国際医療大学 鍼灸学部
鍼灸学科 教授
専門は「痛み」。NHKの健康番組などに出演。著書『今日からはじめる養生学』はじめ、痛みに関する専門書多数執筆。
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