冷え

Q1更年期を迎え「夏でも手足が冷たい」「若い時より冷えがひどくなった」
こうしたことも更年期のせいですか?
A

女性にとって冷え症は更年期だけでなく、若い女性にも訴える人が多い症状です。
その原因として、女性は男性に比べ、熱をつくり出す筋肉量が少ない上に、ダイエットなどによるかたよった食事、運動不足、冷えやすいファッション、ストレスなどがあげられています。

近年、20代の女性は、平熱が35℃台という低体温の人が多くなり、冷えは若い女性の悩みの症状の上位に必ずあげられています。

こうした若い頃から冷えに悩む女性は、年齢と共に基礎代謝も低下し、更年期を迎えると、冷えが一段と強くなるといわれています。

Q2更年期になると冷えの症状が強くなるというのはどうしてですか?
A

更年期になって冷えの症状が強くなるのは、年齢と共に基礎代謝が低下すること、
女性ホルモンの減少により起こる、自律神経の乱れが血管運動神経の機能に影響し、血管の収縮と拡張がスムーズにいかないことなどでおこります。

さらに、ストレスなどで、交感神経が緊張し、血管が必要以上に収縮すると、手足や腰下肢の血流が低下し、下半身の冷えが強くなり、顔面部や頭部は、ほてりやのぼせるという、いわゆる“冷えのぼせ”症状が、おこります。

東洋医学では、こうした“冷えのぼせ”を「上熱下寒(じょうねつげかん)」といっていますが、下半身の冷えが強くなると本来、下半身に届くはずの血液が上半身に集まり、同時に、のぼせやほてりもひきおこしやすくなるのです。

Q3更年期の冷えはどうすればいいですか?
A

更年期の冷えは、顔がほてっているのに、手や下半身が冷えてつらいという症状が多く、適度な運動で血流を良くする、カラダを冷やす食べものをさける、ストレスをためない、規則正しい生活をするなどの生活習慣の改善がおすすめです。

東洋医学は、ヒトのカラダのめぐりをととのえることで、症状を改善する療法なので、冷えだけでなく、さまざまな症状がからみあっておこる更年期症状には、古くから最適とされています。

Q4更年期の冷え おすすめのツボは?
A

腎兪(じんゆ)

腎兪(じんゆ)

ツボの位置

まずヒジの高さを確認します。
ヒジと同じ高さで背骨の両脇を親指で押して気持ちよく感じるところが腎兪(じんゆ:BL23)です。

三陰交(さんいんこう)

三陰交(さんいんこう)

ツボの位置

内くるぶしのいちばん高いところに小指をおき、指幅4本そろえて、人さし指があたっているところが三陰交(さんいんこう:SP6)です。

≪ツボの探し方≫
ツボの探し方を参考にしておおよその位置をさがしてみましょう。
ツボは血行不良をおこしている箇所ポイントです。

1.へこみをさがす
お肌の張りがなくたるんでいるところ。お肌をなでるとへこんでいるように感じるところ。目で見てへこみがわかることもあります。

2.押すと軽い痛みのあるところ
血行不良を起こし感覚異常が起きているところです。指で軽く押すと、軽い痛み(圧痛)を感じるところがツボです。

3.皮膚のカサつきもチェック
血行不良を起こしてお肌が乾燥しているところ。肘から手先、膝から足先、足裏など、皮膚がカサついているところもツボです。

自分の指でツボを探す
ツボ図には「指幅2本」というように指幅を使ってツボを示しています。
この寸法はご本人の指幅を基準にしてください。

監修

やすの ふみこ安野 富美子 先生

東京有明医療大学
保健医療学部鍼灸学科 教授
大学院保健医療学研究科 教授
理学博士